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2010-04-17

IM@S FANT@SY Ⅴ 第三話 ビッグブリッジの激闘-4

一通り説明を終えると、クルルは中に残っている者たちから、
それぞれのための装備を譲り受け、みんなに手渡した。

「さぁ、時間がないわ!行くわよ!!」

そういうとクルルはドアに向かって駆け出し、皆もまたそれに続いた。

クルルが左側に、律子が右側に、
それぞれドアを肩で押す体勢で、呼吸を合わせるため一旦止まる。

「行くはいいけど、私たちはどうやって戦っていいかも…」

「私が指揮に専念するから、何とかあなた達だけで戦ってちょうだい」

伊織の質問に、クルルはそう返した。

「用意はいい?ドアを開けたら、右に走り出してちょうだい。いい?」

クルルが視線と共に、律子に確認を取る。

「ええ、わかったわ」

律子もまたその視線に応えた。

「せーの…」

二人が勢いをつけ、ドン!!と大きな音を立ててドアを開けた。

「走って!!」

クルルのその声に弾かれるように、みんなが一斉に走り出す。

神殿の入口前は元より、橋の途中や、
みんなが目指すべき反対側でもすでに戦闘が始まっていた。

その兵士たちをすり抜けるように西岸を目指してみんなが走る。

―――ザバッ!

大きな水音と共に、水棲モンスターがビッグブリッジへと勢いよく飛び出す!

橋の上からもまた、兵士の攻撃を潜り抜けてきたモンスターたちが、
アイドル達へと襲い掛かる!!

「さぁ!あなたたちの初陣よ!!」

クルルが背中から声を張り上げてみんなを一喝した。

戦闘開始!!

クリスタルの封印が解けたとはいえ、まだそこまで強力なモンスターは現れないようだ。

「最初は手堅く、弱いヤツから各個撃破でいくわ!」

クルルの指揮でみんなが動く。

「やぁ!!」

律子は、シーフ特有の軽やかな身のこなしで、跳躍に近いステップで左右に跳び、
ミスリルダガーでゴブリンを切りつけた!

「ギャアアァァァ!」

断末魔を上げ、一体目のゴブリンが倒れる。

「チハヤ!サッカーへ攻撃!!」

「はい!・・・はぁぁぁあああ!」

クルルの指示を受けて、千早がイカのモンスター、サッカーへ向けて猛然と走りかかる。

「やっ!」

間合いへ迫ったところで、千早は地面を蹴って跳躍した。

「やああぁぁぁ!」

助走と跳躍の加速、重力による落下の力を利用し、
背中に着くほど振りかぶったミスリルソードを、モンスターへと一気に叩きつける!

「ギュグ…オオ…ォ」

脳天から真一文字に捌かれたイカは、その場に崩れ落ちた。

「ヤヨイもそのまま攻撃!」

クルルから次の指示が飛ぶ。しかし

「うぅ…。」

その優しい性格故だろう、やよいがためらう。

「ヤヨイ!!」

クルルはもう一度、声でやよいの背を押した。

「…!やあああぁぁぁ!!」

やよいの振り回したフレイルがゴブリンの側頭部に直撃!!

『ギャガ!!』という短い叫び声をあげ、
ゴブリンは糸を切られた操り人形のように、ドシャリとその場に崩れ落ちた。

戦闘終了!

「さぁ!次よ!急いで!!」

クルルが最後列から檄をとばす。

彼女らには初陣の勝利を喜ぶ間さえ与えられなかった。

『がっ!』、『でやぁぁぁ!』、『グオオォォォ!!』、『グギャ!!』。

人間とモンスターの雄叫びと断末魔が交錯する中を、
彼女たちはそれらにかき消され、何時辿り着くとも知れない橋の西端を目指して疾走する。

「!」

律子が何かに反応する。

「戦闘態勢!!」

そんな律子の機微を見逃すことなく、クルルが指示を出す。

―――敵!?―――

―――でも、どこから!?―――

千早と伊織がそれぞれに辺りを軽く見渡す。

「後ろよ!すぐにこちらへ振り返って!!」

その素振りさえ見抜き、クルルが素早く指示を出す。

―――これよこれ。これがリツコに期待した能力…!
これがなければ、ビッグブリッジのような横のない空間では、
たちまちバックアタックを許してしまうわ―――

クルルの思惑通り、律子のジョブ特性であり常駐アビリティである
『けいかい』によって、バックアタックは未然に防がれた。

「がぁ!」

「ぐ!!」

兵士たちが迫ってくる何かに襲われ、掬いあげられるように空中に吹き飛んでゆく。

「う、牛ぃ!?」

モンスターの姿に律子が驚きの声をあげる。

「こ、これが、ビッグホーン?明らかに…」

―――デカイ!!―――

そう、紫色をした牛のモンスター、ビッグホーンが迫ってきていたのだが、
このモンスターの普通の体格は、通常の牛とさして変わらないハズであるが、
現れたビッグホーンは明らかに人間の2倍ほどの体高があった。

しかし、それに臆することなくクルルは指示を出す。

「リツコ!『ぬすむ』!!」

―――これだけの大物、絶対何かいいアイテムを持ってるに違いないわ!!―――

クルルの読みは見事に当たり、律子は鮮やかな手際でエーテルを盗み出した。

「チハヤは攻撃!」

クルルのその声を受けて、千早が構えを保ちながら、時計回りに円を描き、
ジリジリと近づきながらその円を狭めてゆく。

ピタッと千早の動きが止まった瞬間。

―――今だ!―――

モンスターに生まれたわずかなスキも見逃さず猛然と走りかかり、
敵の振り上げた右足に激突するギリギリのところで
上半身のみを左に錐揉み状によじってかわし、敵の腹下へと滑りこむ!!

剣を目一杯に振り上げ、敵の右下腹部を大きく切り裂いた!

橋が揺れるのではないかと思うほどの声を上げて鳴くも、倒すには至らなかった。

ビッグホーンが怯んでいるスキに、さらにやよいが追い打ちをかける。

武器の当てにくさ、リーチの低さに加えやよいの体格も相まって、
頭を叩くには至らなかったが、足を攻撃することでビッグホーンのバランスを崩させた。

「よ~し、ここは一発、伊織ちゃんの華麗な黒魔法で、
一撃でたおしてあげるわ!にひひ♪」

そう言っておもむろにビッグホーンに炎のロッドを構える。が、

「ダメよ、打撃でいって」

クルルがそれを制する。

「何でよ!?」

振り返って伊織がクルルに突っかかる。

「ダメよ、魔法は。ここぞという時を待って」

「今がその時でしょうが!!」

それでも伊織は譲らない。

「じゃあ防御していて。来るわよ!!」

クルルは有無を言わさず伊織に防御体勢をとらせた。

千早に捌かれた腹から血を流しながらも、普通の人間なら
吹き飛ばされてしまいそうなほどの鼻息を荒げながら
数度右足で地面を掻いた後、パーティに向かって猛然と走りかかる!

「ぎゃう!!」

体当たりにやよいが突き飛ばされ、数メートル地面を擦れ、
それらの痛みに耐えるように「うぅ…」と呻きながら、全身を押さえる。

「やよい!!」

その様子に伊織が思わず声を上げる。

「だ、大丈夫。伊織ちゃん…。」

そう言いながらやよいは懸命にその身を起こした。

「さぁ、もう一息。リツコ、次の戦闘に後をひかせたくないわ。ポーションをヤヨイに」

そう言いながらクルルは道具袋を漁り、ポーションを律子へと放り渡した。

「大丈夫?ほら」

ポーションを受け取った律子が、やよいに肩を貸しながらポーションを飲ませた。

「ありがとうございます。律子さん」

すぐに全快はしないにしろ、幾分楽そうな声でやよいが礼を言った。

「さぁ、チハヤ。ダメ押しの一撃よ!!」

気合も十分にクルルが千早に指示を出す。

千早の気合のこもった声と共に振り抜かれた一撃は、
ビッグホーンへの止めに十分であった。

「やりましたぁ~!」

元気を取り戻したやよいが飛び跳ねて喜ぶ。

「さぁ、先を急ぎましょう!」

こうしてクルル達は、幾度かモンスターの襲撃にさらされながらも、
どうにか切り抜け、西岸への行程の中ほどまでに差し掛かった。

その時、

「あれは何!?」

先頭を行く律子が遠くを見つめ声を上げる。皆もまた律子が見たものの先へ視線を送った。

そこには、木製の船が何隻か、陸地に止まっているのが小さく見えた。

「何よ…あの非常識な光景……。」

息を上げながら伊織が尋ねる。

「私の飛空艇団、『竜騎船団』よ」

『ふうぅ…』と大きく息を吐き、足を止めてクルルが言った。

「さぁ、あと少しよ!!」

クルルのその声と共に、皆が一斉に最後の一息を再び走り始める!

「わあああぁぁぁ!!」

「がぁ!!」

最後の一息を走らんとする一行の前に、またも巨大なモンスターが立ちはだかる!!

赤い体毛に包まれた象のようなモンスターだ。

―――ガルラ―――

「戦闘態勢!!」

すかさずクルルが指示を出す。

「リツコ!うかつに飛び込んではダメ!防御に徹して」

クルルの指示に従い、律子が防御体勢をとる。

「チハヤ、攻撃!!いつも正面から行くばかりでなく、工夫もして!!」

そうは言われても、ここに来るまでの過程で幾分経験を積み強くなれているとは言え、
まだまだ戦闘への慣れがないため、それは難しい相談であった。

愚直にも千早は正面突破を敢行。ガルラもまたその千早に向けて真正面から走りかかる!

荒々しく振り回される牙、鼻、足をかわし、ガルラが身を持て余すように素早く、
小さく、小さくかわしながら、千早は要所要所で攻撃を加えていく。

「あいつの一撃は魔道士が食らったんじゃひとたまりもないわ。ヤヨイも防御」

「はい!」

クルルの指示にそう答え、武器と腕を体の前方で構え、やよいが防御体勢を作った。

「さぁ、イオリ!ここぞという時よ!!」

気合十分にクルルが伊織にやや言葉足らずな指示を出す。

「OK!」

そう答えてガルラに向けて伊織がロッドを構える。

『ブリザラ!!』

伊織のロッドに冷気が集まり、伊織がロッドを突き出すと、
氷の波がガルラに向かって這い進んだ。

ガルラに当たった氷の波が一気にガルラを固め上げた!!

氷漬けになったガルラはピクリとも動きだすことなく、氷の中で絶命した。

「やっ…たの?」

「うっう~!伊織ちゃん、すごいです~!」

声を上げなかった千早も含め、皆伊織の魔法の威力に驚いている。

「……フ、フン。当然よ!この天才伊織ちゃんは何をしたってパーフェクトなんだから♪」

……中でも、撃った伊織が一番驚いているようであった。

「げっ…。」

クルルが声を上げる。

ガルラをかわした先では、今までの倍以上の密度で戦闘が繰り広げられていた。

「みんな、あと一息だから!一気に走り抜けるよ!!」

クルルの声と共に、皆は再び飛び交う血飛沫と断末魔の中を走り始めた。

「戦闘は最小限に抑えて!!」

檄を交えてクルルからの指示がとぶ。

   ◇   ◇   ◇

一方竜騎船団は…

「クルル様が見えたぞ!」

「エンジン始動!離陸準備を整えろ!!」

クルルの接近に気付き、突入前のクルルの指示に従い、
いつでも飛びたてる準備を整え始めていた。

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