--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2010-04-09

IM@S FANT@SY Ⅴ 第三話 ビッグブリッジの激闘-3

―――ジョブチェンジ?…“転職”?何のことかしら?―――

女性と最も近い距離にいた律子だけは、その言葉をどうにか捉えることができたが、
意味までを解するには至らなかった。

一方女性は、その光景に寸時思索を巡らせた。

―――見たこともない服を着ている彼女たち、最近観測されていた次元の乱れ、
そして…―――

チラリとやよいを見遣る。

―――ジョブチェンジ―――

他にも思うところはあったが、女性はそこで考えることを止め

―――キン

剣を鞘へと収め、話し始めた。

「あなたたち」

みんなの視線が女性に集まる。

「何ですか」

申し訳なさそうに発せられた女性のニュアンスに、『何を今さら』と思ったのだろう、
律子がやや邪険に尋ねる。

「お願い、私たちに力を貸してちょうだい」

「なっ…!」

「このような扱いを強いておいて、何を今さら…!!」

「この世界は今!!……破滅の危機にさらされている」

声を荒げて彼女の言葉に反論しようとしたアイドル達を、言いよどみながらも女性が制した。

―――何を突然!?―――

そう思ったのは千早だけではないだろう。

「今詳しいことを説明しているヒマはないわ」

そう前置きを置いてから、女性は、今の状況において必要な最低限の説明を始めた。

「この世界は、クリスタルの魔力によって、平和とバランスを保っている」

「これの、ことですか?」

そう言って、やよいが先ほど握ったクリスタルのかけらをおずおずと女性に差し出した。

「えぇ。でも、この世界のクリスタルは全部で4つあるわ。
ここにあったものはそのうちの一つ、風のクリスタルよ」

女性はさらに説明を続ける。

「そして、そのクリスタルが砕けた今、この周辺に抑え込まれていたモンスターたちが…」

―――オオオオォォォ…!!

扉の外から、兵士たちの雄叫びが聞こえ、戦闘の開始を告げた。

「解き放たれてしまった」

―――早くしないと…!―――

そう思いながら、女性はさらに話を続ける。

「ただ、クリスタルにはもう一つの力がある。『勇者の心』よ」

やよいから差し出されたクリスタルを受け取り、皆に指し示しながら言った。

「勇者の…心?」

「それがジョブチェンジ。ですか?」

千早と律子がそれぞれに尋ねた。

「えぇ。かつて世界に危機が訪れた時、それを救った英雄たちがいた。
彼らの使った力がクリスタルに宿ったもの。
それが『勇者の心』であり、ジョブチェンジよ」

―――ドガーーーン!!

魔道隊の魔法によるものだろう、轟音と共に、爆発による震動が神殿内に響く。

―――ゴゴゴゴゴ…

クリスタルルームを固く閉ざした扉が重々しい音を立ててゆっくりと開かれ、
兵士が一人入ってきた。

「クルル様!ご報告申し上げます!!外部部隊は依然健在であり交戦中。
しかし、ビッグブリッジ東側及び、水中からのモンスターの増援により、
戦況は芳しくございません!いかがいたしますか!?」

クルルと呼ばれた女性はしばし考え、質問した。

「西側はどうか」

「はっ、依然健在にして交戦中。ですが、東側ほどの苦戦は強いられておりません」

「……わかった。西側の兵力の半分を東側に回せ。西側は、私が切り抜けてみせる」

「はっ、半分、でありますか!?しかし…」

「良いと言っている!行け!!」

「はっ!」

そのように兵士を一喝し部屋を追い出させた。

「さて、そういうことだから、協力してちょうだい♪」

女性は、向き直るなりアイドル達に、とても状況にはそぐわぬ明るい調子で言った。

「まだ誰も協力するとは言っていませんよ」

千早が真剣な面持ちで訴える。

律子も「そうです」とそれに同意した。

「……できるだけ兵の犠牲は少なくしたいの。
そのためにクリスタルの力を持ったジョブの力は絶対に必要だわ」

「じゃあ、あんたたちが勝手に使えばいいじゃない!私たちを巻き込まないで!」

伊織がもっともな意見を言った。

「そういうワケにはいかないの。ジョブの力が使えるのは、
クリスタルに選ばれた戦士でなければならないから」

「……。」

その言葉に一同は押し黙った。少なくともやよいはジョブチェンジできてしまった。
ということは、自分たちにもその素養は少なからずあるだろうと察したからだ。

「でも…」

「大丈夫。クリスタルの力は強大よ」

逡巡し、何かを言いかけた律子の言葉を、そんな切り出しで女性が止め、言葉を続けた。

「外で戦っている兵士数十人を、ジョブチェンジしたての
あなたたちの誰か一人が戦っても、あしらえるほどにはね」

千早、律子、伊織の3人が顔を見合わせる。

その様子を、一人の声が割った。

「私―――やります!」

…やよいだった。

「「やよい!?」」

律子と伊織の驚きが重なった。

「ダメよ高槻さん!危険だわ!!
もしかしたら、命を落としてしまうかも知れないのよ!?」

千早もまた、声を張り上げて猛反対した。

「それでも―――」

「困っている人を見て、見えないフリはできません!
助けてと言われて、聞こえないフリはできません!!」

やよいは頑として譲らなかった。

「私、行きます!!」

寸分の沈黙の後、意を決したようにそう言って、やよいが扉の方へと歩き始めた。

「ちょっと待ちなさい。やよい」

やよいを引き止め、律子は『はぁぁ…。』と大きなため息をついた。

「こうまでやよいの決心が固いんじゃ、一人で行かせる方がかわいそうね」

「私も行くわ」

そう言った律子の意見に皆賛成の意を示した。

「私はクルル。クルル=マイア=バルデシオン。よろしく」

「律子よ。秋月律子」

そう言って二人はお互いに握手を交わした。

「伊織よ。水瀬伊織」

「……如月千早」

二人は未だどこか納得いかない様子で、自己紹介した。

「じゃあ、みんなに一番扱いやすいジョブをそれぞれ選ぶわ。
精神を集中して、自分の心に共鳴するクリスタルを探してちょうだい」

クルルに言われるままに皆は目を閉じ、心を落ち着け、精神を集中し始めた。

皆が集中し始めると、勇者の心の眠るクリスタルがうっすらと光り始め、
アイドル達はそれぞれ、クリスタルに導かれるままに歩み寄った。

それぞれがクリスタルを手に取ると、やよいの時と同様にクリスタルが光り輝いた。

千早は白銀の鎧を身に纏い、おとぎ話のナイトさながらの出で立ちとなった。

伊織は、黒いローブに三角帽子と、いかにも魔法使いらしい格好となった。

律子はマントにスカート、貴婦人が着けているような仮面にベレー帽という出で立ちで、
それらはどれも青を基調としたものだった。

―――ナイトに、黒魔道士、青魔道士か…。―――

みんなのジョブチェンジを見て、クルルは思った。

―――じゃあ、私はシーフね―――

クルルは迷わずクリスタルの一つを手に取ると、目を閉じ精神を集中させた。だが、

―――ジョブチェンジ……できない!?―――

かつて、光の戦士としてジョブの力を使いこなしていた一人であるクルルが、
ジョブチェンジできなくなっていた。

―――クリスタルが、私を戦士だと認めなくなった!?なぜ!?―――

クルルは、しばしその場に立ち尽くし、愕然とした表情を浮かべていた。しかし、

―――これは、今考えるべきことではないわね―――

彼女はすぐにそう思い返し、考えるべきベクトルを変えた。

そう、彼女がするべきは、目下の事態を収拾、ないしは最低でもこの異邦人たちと、
戦線に投入した兵士たちを可能が及ぶ限り一人でも多く、願わくは全員、
生きてこの場から脱出させる方法を考えることである。

クルルはしばしこのパーティを見回し、一人に狙いを定めた。

「リツコ」

「何でしょう?」

「こっちのジョブを使ってくれる?」

クルルはそう言って、自分が持っていた、
シーフのジョブが入ったクリスタルを軽く放って律子に渡した。

クリスタルを受け取ると、律子は再び姿を変え、その姿は、
緑のバンダナに緑のベスト、その下には白と黄色の中間色のようなTシャツ、
下にはこれまた緑のキュロットに、膝下まである革の編み上げストラップでできた
サンダルという格好であった。

「じゃあ、みんなのジョブについて簡単に説明するわ」

アイドル達を一列に並ばせ、それぞれのジョブについての説明をしだした。

コメント

No title

機械的なので目安にしかならないけど
面白いから試してみては
http://logoon.org/

No title

ご訪問&コメありがとうございます!

早速試してみました。
文章が少々硬いと言われました;^^

まぁ、どっちかっていうとシリアスな話だし、いいかな?
ギャグ書いてて言われたらショックだ;- -)

これからもよろしくお願いしますw

ではまた~ノシ

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://hyukiho.blog72.fc2.com/tb.php/62-28cf87fe
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Copyright (C) ためしにブログをつくってみた. All rights reserved. Template by Underground
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。