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2010-03-07

IM@S FANT@SY Ⅴ 第一話 異変の兆候-5

真の目にいかにもな海賊旗と数人の海賊が飛び込んできた。

その中に足を踏み入れる。

「あん?なんだおめぇは?」

一人の海賊が真の進路を塞ぐように近付き、尋ねる。

「亜美と真美…お前達がさらった双子を返してもらいに来た!」

真が睨みを利かせながらその海賊に詰め寄る。

「はぁ?おい!聞いたかよ!」

そいつは冗談でも聞いたかのような調子で、周りの海賊に呼びかける。

「なんだって!?」

「笑い転げるなよ!?」

その言葉に真がムッとする。

「もったいつけずに早く言えよ!」

他の海賊がその言葉を聞こうとまくし立てる。

「『お前達がさらった双子を返してもらいに来た』だとよ!」

……しばしの間。

「プッ」

「ククク…。」

「ブワァアッハッハッハッ…!!」

周りにいた海賊達はついに笑いがこらえきれなくなり、一斉に大笑いした。

―――な、なんだ!?―――

「何がおかしい!?」

その様子に、もの笑いにされた怒りと恥ずかしさで真が顔を真っ赤にして声を荒げる。

「いやぁ、ジョーダンを言う場所は選ばなきゃいけねぇぜボウズ」

―――ボウズ!?―――

その言葉に真の怒りのボルテージがさらに上がる。

「いいか、海賊が一度手にしたモンは、その時点で俺らのモンなんだ。
だから『返せ』なんて言われる筋合いはねぇんだよ」

正面にいる海賊が真を見下ろし気味に指を指して言った。

「そんな理屈…!」

かなりアホ毛に…いや、トサカにキている。真の怒りは爆発寸前だ。

「よっぽど『返してほしい』ってンなら、どんな方法をとってでも、奪い返すんだな」

この言葉で完全に真がキレた。

「……てやる」

「あ?なんだって?」

海賊がそれをさらに焚き付ける。

「言われなくてもそうしてやる!やぁああああ!」

―――ドスッ!

真の正拳突きが、不意打ち気味に鈍い音を立てて海賊のみぞおちにめりこむ。

「ぐ、がぁあ、あ」

海賊が腹を抱え込んだまま、ドサッと音を立ててその場に崩れ落ちた。

「てめぇこの野郎!よくもやりやがったな!」

「やっちまえ!」

―――返してほしけりゃ奪い返せって言ったのはそっちじゃないか!―――

ある意味『力ずくで奪い返してみろ』と言ったようにもとれる発言に対して、
仲間をやられて腹を立てるという海賊の理不尽な態度に真はますます怒りを募らせた。

―――バキッ!ドカッ!

真が二人目の海賊ものした

「どうだ、美味いか?」

「「おいし→♪」」

二人で声を揃えてファリスの問いかけに答えながら、
腹を空かせたとかち姉妹がファリスの作ったビーフサンドイッチを頬張る。

―――~~~!!……!

「なんか外が騒がしいな」

左手で机に頬杖をつきながら、ドアの方へと視線だけを送ってファリスが言った。

「ちょっと見てくるわ」

そう言ってファリスが席を立ち、外へ出る。

―――くそーー!離せ!!

ファリスがドアを開けたとき、そんな声が聞こえた気がした。

「ねぇ亜美、今聞こえた声って…」

   ◇   ◇   ◇

「真ちゃん!」

捕まった真の様子に耐えかねて雪歩が飛び出してきてしまった。

「雪歩!来ちゃダメだ!」

羽交い絞めをほどこうともがきながら雪歩に戻るよう真が促す。

「おい、この野郎こんなところに女連れ来てやがるぜ」

海賊の一人が真にそう言ってからかう。

―――さっきから野郎、野郎って…!―――

……。真は自分が男に間違われていることの怒りで雪歩の心配どころではないようだ。

「ボクは―――」

―――バン!!

「騒がしいぞてめぇら!」

『女だ』と言葉を続けようしたところ、勢いよくドアが開き、
開口一番にファリスが怒鳴り散らした。

「お頭!」

海賊たちが一斉にファリスを注視する。

―――お頭。コイツが亜美真美を…!―――

真が『自分が今こんなメに遭っているのも、元を正せばコイツのせいだ』
と言わんばかりに、関係のない怒りさえまとめてファリスを睨みつける。

ファリスが、のされた3人の子分と、真を観察するように見る。

―――見慣れない服装、そしてこの騒ぎ…。コイツ、アイツらの…。―――

そうしてしばらく考えた後、ファリスがゆっくりと口を開く。

「放してやれ」

「はっ!?」

真を拘束している3人の子分の一人が聞き返す。
自分達も真に危害を加えようとしたとはいえ、こちらは3人ものされている上、
お頭に何をしでかそうとするかわからない。聞き返すのが普通の行動だ。

「聞こえなかったのか?放してやれ」

ファリスが静かに、しかし語気を強くしてもう一度言う。

ファリスのただならぬ気配に子分たちが真を解放する。

「お前ら、アイツらに会いにきたのか」

「ええ。返してもらいにきました」

『返して』を強調しながら真がファリスの問いに答えた。

「こちらの事情から返してやるワケにはいかんが、とりあえず情報はやる。
二人は無事だ。安心しろ」

「なぜ返せないと?」

「じきにわかる。それと、その事情ってのは大きく見てだ。
オレ個人の理由として、やられた方も悪いんだろうが、
子分がのされて黙っているようじゃ、海賊の頭は務まらねぇからな。返すにしても…」

そういいながらファリスが構えをとる。

「それなりの落とし前はつけてもらうぜ」

ファリスが右手首を返し、指を天に向けて2度ほど手招きする。

―――大きく斜(はす)に構えられた姿勢と、突き出された右手に隠されて…
懐が異様に遠い…!!―――

「うぁぁぁぁぁあああああ!!」

そう感じつつも亜美真美を取り返さなければならない、自分が抵抗を止めれば
雪歩にどんな危害が加わるかもわからないことを感じ、真がファリスに走り込む。

「やぁぁぁああああ!!」

―――パシッ!パシッ!

しかし、やはりファリスのとった構えに対する懐までの距離は相応に遠く、
大きく突き出された右腕に、真の突きは当たる前に払われ、ことごとく空を切る。

「くそっ!」

当たらないことにイラついた真の拳の振りが大きくなる。

―――トスン

真が振りかぶった瞬間の隙をついてファリスが大きく踏み込み、
真の胸のやや上を、いわゆる貫手の要領で中指の腹を使って突き飛ばした。

「づぁ!」

飛ばされた真が大きく尻餅をつく。

「うぁ!うぅ…!!」

突かれた、というより、押し出されたに近い攻撃であるにも関わらず、
まるで正拳突きでも受けたかのような衝撃と痛みを
胸の、ちょうど肋骨の集まっているあたりに覚え、服を握りしめて痛みを堪えていた。

「一回死にだ」

先程から大して変っていない姿勢のまま指を一本かざしてそう言った。

ファリスが言葉を続ける。

「あの二人に何もしてないように、お前にもたいした攻撃はできねぇ。
だが、それも都合がいいと言えば都合がいい。こっちらがやられたのは3人だからな。
あと2回はやられてもらうぜ」

「さぁ、来な」

再びファリスが手招きをして、真に立つことを促す。

真が砂埃を払いながら立ち上がり、構えをとる。

―――バタン!

その時、突然大きな音をたててファリスが出てきたドアが開いた。

「まこちん!」

「お頭さん!」

亜美真美が飛び出してきて二人の間に割って入った。

「亜美、真美!」

「お前ら!」

真とファリスの二人が一様に驚く。

「お頭さん!やめてよ!まこちんは真美たちの友達なんだよ!」

真美が大の字に仁王立ちしてファリスの前に立ち塞がる。

「まこちん、大丈夫?」

亜美が真に駆け寄ろうとする。が、

「亜美、真美どいて!」

そう言って、真は構えたまま臨戦態勢を解こうとしない。

「まこちんやめて!お頭さんは亜美たちを守ってくれてたんだよ!」

―――この状況で亜美真美が嘘をつくとは考えにくいな…。―――

「もう教えてもらえませんか?そちらの事情って何なんです!?」

真が構えを解いてファリスに尋ねる。

―――いや…。どう説明したモンかな―――

ファリスが返答に困って目を逸らしながら、後頭部あたりをワシャワシャと掻いて黙る。

「姉さん!!」

「ひゃあぁぁあぁ!!」

背後から聞こえた突然の大声に驚いて雪歩が腰を抜かした。

―――げっ…!―――



突如起こった超常現象。気が付けばそこは(ファイナル)ファンタジーの世界。
果たして、765プロのアイドル達の運命は!?
一方、口裏を合わせるヒマもなく正体(女性であること)をバラされたファリス。
とんでもない剣幕で現れたファリスの妹レナ。
この世界に何が起ころうとしているのか…どうなる次回!?


続く

次回予告!
アイドル一行のもとに現れたレナ。彼女に連れられタイクーン城へ着くと、
そこにはなんともう一人のレナ!?
そして、レナの口からこの世界に起こらんとしている窮状を伝えられる。
次回、第二話『二つの世界』お楽しみに!!

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