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2010-02-17

IM@S FANT@SY Ⅴ 第一話 異変の兆候-2

ここでとかち姉妹が目覚めたぐらいのところまで時は遡る。

「う…ん。イッ!タタタ…。ここは、どこだろう?
確か、みんなと映画の撮影をしていたら突然辺りが暗くなって、
何かに吸い込まれるみたいに引き寄せられて…」

―――ダメだ。なんだか記憶が混乱してるのか上手く思い出せない―――

―――そうだ!誰か、誰かいないか?あの現場に居合わせてた人なら、
同じように吸い込まれた人がいてもおかしくないハズだ―――

未だはっきりしない頭で真が辺りを見回す。

「あ!雪歩!!」

近くに雪歩が倒れていた。

「くっ…!うぅ!」

意識がはっきりしないせいか、上手く立ち上がれず、雪歩のところまで這い進む。

「雪歩、雪歩!しっかり!雪歩!!」

どうにか半身を起こし、揺すりながら雪歩に呼びかけるが、気を失ったまま反応がない。

―――息は!?―――

真が雪歩の口元に手をやる。

―――ホッ…。よかった。どうにかあるみたいだ―――

―――でも、こんな野ざらしのところにいつまでもいたんじゃかわいそうだ。
とりあえずどこか休めるところへ運んであげなきゃ!―――

―――どこか、どこかないか!?―――

真が辺りを見回す。

―――あ!あそこの岩陰ならいいかも―――

「…よっ!」

どうにか立ち上がれるようになった真が、雪歩をおぶって岩陰に向かって歩き出した。

―――ん?岩陰と思ったら…―――

「洞穴?」

岩の陰に隠れて見えていなかったところに、洞穴らしきものの入り口があった。

真はその入り口を覗き込んだ。

―――ピチャーン…。

その穴の奥から水音が聞こえる。
それも、かなり大きな反響であることから、その空間の広さが窺えた。

「いや、洞穴と言うよりは、洞窟なのかな?」

真はその洞窟に足を踏み入れた。
しかしその奥は真が想像していたほどの不気味さはなく、
どうにか視界も保てる程度に光が入っていた。何より…

「地面が均してある?それに階段まで」

そう。通常、洞窟と呼ばれるそれとは異なり、明らかに人の手が加わった形跡があるのだ。

「奥に行けば誰かいるのか…
それともどこか人のいる場所まで繋がってるのかも知れない!」

真は雪歩を落とさないように気遣いながらも急げるだけ小走りで急いだ。

「あ、あれ?」

―――行き止まりだ―――

「うぅ…!ハァ。ハァ」

雪歩のうなされている声が肩越しに聞こえる。

―――早く休ませてあげないと―――

―――ピチャーン…。

―――水の音。そうだ、この洞窟を覗き込んだときも同じように
水の音が聞こえたんだ。まずはそれを探そう―――

水の音がしたからといって水場があるとは限らない。
洞窟内には地下水が染み出し、それが洞窟内の空洞へと落ちてくることがある
というだけのことだからだ。
勿論、それが溜まる場所があれば、そこは水場と言えるだろう。

真がそんなことを知るはずもなく、
(仮に知っていたとしても、今の状況ではそこまでに考えが至らないだろう)
希望的楽観に任せて水を探す。

幸いにも洞窟の深さはさほどでもないため、
水を探すのにそれほど時間はかからない。
なかったとしても、探し回って余計な体力を消耗することもないワケである。

程なくして…

「あった。ここならどうにか」

水場が見つかったのだ。真は雪歩を降ろし、水たまりのそばに横たえる。

「…!ここにも階段が。ってことは、この水もここに関わる誰かが使ってるってことか…。」

階段は水の中まで作られているが、
真が階段を水の手前ギリギリのところまで降り、水を掬って慎重に水質を確かめる。

「冷たっ」

―――にごりや悪臭みたいなものは特にないけど―――

―――ゴクッ

その水を飲んでみた。

―――特に問題は…というかちゃんと澄んでて、よく冷えてて、
少し疲れがとれた気がする―――


真はしばし考え、上着を脱いでその水でやや入念に洗い始めた。

―――毎日洗濯してるから、そこまで汚れてるとは思えないけど、一応…ね―――

「よし。こんなもんかな」

真は上着をよく絞りもう一度よく水に浸けた。

「よし!」

上着を取り出すと素早く雪歩のところまで戻った。

―――ごめん!雪歩!―――

―――ジャー!!

水浸しになった上着を雪歩の顔面の上で絞った。

確かに、手で掬っていては量が少な過ぎる上に、
いくら防いでも零れ、雪歩のところへ運んだころにはほとんど残っていないだろう。
かといって意識の混濁した雪歩の頭をこれだけ冷えた水の中に突っ込んだら、
どうなってしまうかわからない。
水を汲むものを持っていない状態で雪歩に水をかけてやろうと思ったら、
この方法が一番手っ取り早く多くの量の水を運べるだろう。

「…ん…ん!」

「雪歩!雪歩!!」

反応した雪歩にすかさず真が声をかける。

「ん!…ま、真ちゃん?」

頭こそ上げないものの、どうにか薄目を開けて真の方を向き、声に反応した。

「あぁ…!雪歩。よかった」

真の目に薄っすらと涙が浮かぶ。

「ここは…どこ?みんなは?」

雪歩がゆっくりと身を起こし、周りを見ながら真に尋ねた。

「わからない」

真が首を横に振りながら答えた。

―――オオォォ…ン

何かが反響して聞こえてくる。

―――?何の音だ?人の、話し声?―――

「ねぇ、なぁに?」

「シッ!静かに。…!!こっちに向かってくる!」

二人は影に身を潜めてその者がくるのを窺った。

―――は~な~せ~!
      いい加減にしろよこのクソガキ共~!…


「…!!亜美ちゃ」

誰かに捕まっている亜美の姿を見て雪歩が声を上げかけた。

「雪歩!」

「ムグ!!」

それを真が慌てて塞ぐ。

「???」

頭領が立ち止まって辺りを見回す。

―――気のせい…か?―――

水場は洞窟の通路からは段差の低い位置にあるため、
身をかがめて隠れてしまえば、よほど近付かなければ、
まずそこに人がいるかはわからなく、
真たちは、どうにか気付かれず耐え果せた。

「…ップハァァ!」

真の手が離され雪歩が大きく息を吐いた。

「雪歩!なんで大声をだすの?」

「だって亜美ちゃんと真美ちゃんが…」

真の追及にたじろぎながらもしっかりと雪歩が答える。

「それは分かるけど、この距離とあの状況じゃどうにもできないよ。
とにかく、今はあの二人と連れて行った連中を追おう」

「うん」

―――あまり無理はさせたくないけど…。―――

「雪歩、立てる?」

真が気遣って手を差し伸べる。

「うん。あ、でも、ちょっと待って。もう少しお水を飲んでいってもいいかな?」

「うん。走れば追いつくと思うから、少しだけなら」

「ありがとう」

雪歩が水を飲む。

「いい?」

「うん!このお水すごくおいしいね。なんだか元気がでてきちゃった」

「じゃあ、走れそう?」

「うん。大丈夫」

「よし、じゃあ行こう!」

二人はとかち姉妹を連れ去った連中の後を追った…。

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