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2010-10-21

IM@S FANT@SY Ⅴ 第五話 Party in the trouble!?-5

翌朝。

「ん…!う~ん。ん?朝?アレ!?えっ!?」

―――なんでボク、テントの中で寝てるんだ!?―――

昨晩は外でファリスと語らっていたにも関わらず、
目覚めた場所がテントの中であったことに、真が驚いて飛び起きた。

真が慌ててテントから飛び出す。

「お?起きたかマコト。早いな」

静かな朝日の中、ファリスが伸びをしながら振り返る。その顔は穏やかなものだった。

真が寝入ったのを見計らって、ファリスがテントに運び込んだのだ。

「あ、あの、スミマセン!ボク寝ちゃったみたいで…」

「ハハッ。いいよ。気にすんなって」

頬を赤らめうつむく真の頭を、ファリスが優しくなでた。

「ホラ、すぐ朝メシにするから、支度してきな」

ファリスの言葉を受けて、「はい!」と返事をして、真は水場へと駆けて行った。

「二人の仲、やけに良かったよね。どうしたんだろ」

「さぁ~」

「何かあったのかな」

朝食も終わり、いつものように訓練内容を伝えるべく、
ファリスが全員を横一列に並ばせる。
その並びで雪歩を真ん中に、亜美と真美が朝食でのファリスと真の仲の良さに訝しがる。

そして今、なぜか真がファリスの側に立っている。

「お前はあっちだ」

ファリスが、真の頭をむんずと捕まえる。

「え~!?こっちでもいいじゃないですか!」

真がダダをこねる。

「いいから行け」

「そうだよ真ちゃん。何でそっちにいるの?」

雪歩の意図としては、単純な立ち位置ではなく、心理的な差を言いたいのだろう。
雪歩が尋ねる。

「雪歩。ボクは…全面的にファリスさんを支持することにした!」

その言葉に、ファリスを含め、一同が驚く。

「お、おいマコト…!」

昨夜の事情を知らない雪歩たちの事を考えてか、ファリスが声を上げる。

「だって、やっぱり、意思の統一は必要だし、パーティの指揮者はファリスさんですし」

「こっちの世界のことだって、ファリスさんじゃなきゃわからないこと、
いっぱいあると思いますから」という言葉で、真は自分の意見を閉じた。

「………。」

真の言葉を受けて、ファリスが視線を送った先にいる3人が押し黙る。

その様子に、真がもうひと押しする。

「亜美、真美、雪歩」

真が、それぞれを向いて呼び掛ける。

「ボクたちは仲間だろう?」

「うん」

「そうだよ」

真の問いに、亜美真美が答える。

「それはいつからだ?」

「えっ…」

「いつから…って」

亜美と雪歩が言葉に詰まる。

「765プロに入った時から?違うな。
765プロに入ったからっていっても、すぐに打ち解けたワケじゃない。
雪歩にいたっては、ボクを男だと思って、はじめは話しかけもしなかった。そうだろう?」

真が彼女らの心を代弁する。

真の説得は続く。

「もしかしたら、765プロに入ることもなくて、
知り合うことすらないまま一生が終わっていたかも知れない。
でも、ボクたちは知り合った。そして、解り合ったんだ!」

「同じ場所に人が集まって、心を分かち合えれば、人はそれを仲間と呼ぶことができる。
…きっかけや状況は大きく違うかも知れない。
それでも!それなら、この時、この場所を共にしているファリスさんと解り合えるなら、
仲間と呼ぶことができるんじゃないだろうか」

真がトドメの一撃を放つ。

「もう一度、ファリスさんを信じてみないか?」

「……。」

真の言葉を受けて、みんなが考える。

「わかった」

一足早く亜美が説得に答えた。

「一番お頭さんとケンカしてたまこちんがそうしたいって言うんだもん。
亜美は、まこちんを信じるよ!」

亜美のその言葉に、残る二人も首を縦に振った。

「みんな。ありがとう」

真が礼を言う。

「…じゃあ、いいか?今日からの訓練の内容を言うぞ」

ファリスが口を開く。その表情は、いつにもまして真剣なものであった。

「まず、全員ジョブチェンジする」

「はい!まず全員ジョブ…ってええぇぇ!?」

「何を驚くマコト」

「いいからオレの話を聞け」とファリスが促す。

「まず、オレが今日までにこのパーティに感じた問題点を、二つ挙げる。
まず一つ目、パーティバランス!コレはもう言うまでもないだろう。
マコトに負担がかかり過ぎてる」

「次に二つ目」

そこまで言って、ファリスは少し間を空けた。
ジョブの総入れ替えを決めたのはこちらの点が大きいのだが、
リスクが大きくもあるため、これを伝えるには、やはりそれ相応に覚悟がいるのだ。

「これが重要だ。オレは、お前たちの性格に合わせたジョブを選びすぎた。
例えば、マコトは体術の心得があるからモンク。
ユキホはおとなしいから白魔道士って具合だ」

「どうしてそれじゃダメなの?」

亜美が質問する。

「いい質問だ。たしかにそれなら、ジョブへの対応は早い。
だがこの状態は、『できないものはできないまま放置』の状態になる。
これはおそらく、後に致命的な弱点として必ず現れることになる」

息を継いでファリスが言葉を続ける。

「事実、このパーティはその症状が現れかけ、瓦解しかけた」

「よって、手を打つ。全員、今からオレが言ったジョブにチェンジしてもらうぞ」

ファリスはそこまで言って、各人に呼び掛けた。

「マコト」

「はい!」

「ナイトになってもらう。マコトは今までとあまりやることは変わらない。
その代わり、少し増える」

「具体的には何を?」

「ナイトは、モンク同様に戦士系のジョブだ。だが、やれることが違う。
それは、仲間を守ることだ。
マコトにはナイトになってもらって、武器の扱いに慣れてもらうのと、
仲間を守ってもらう。このパーティの盾ってことだな」

「盾…ですか」

「あぁ。そうすることで、マコトに攻撃が集中しやすくなってしまうが、
白魔道士は回復の判断がしやすくなる」

「なるほど。わかりました!」

「パーティのダメージを一身に負うことになる。凄く、痛いぞ?」

ファリスが申し訳なさそうに口を開いた。

「でも仲間の、パーティのためなら!」

真は、笑顔で了承した。

「ありがとう。…次、アミ!」

「は→い!」

元気に手を挙げて答える。

「黒魔道士」

「え→!!モンクがいいよ~!!」

アミがブーたれる。

「黙れ。できると思うからやらせないんだ。
黒魔道士は、どのモンスターを狙わなくてはいけないかを正確に判断しなくちゃいけない。
その冷静さを身につけてもらう」

「とかくお前には落ち着きが足らないからな」とファリスは付け足した。

「次、マミ」

「は→い☆」

「お前は白魔道士だ。黒魔道士をさせているときに思った。
お前は判断が遅い時がある。
的の多い黒魔道士に比べて、白魔道士は回復させる対象の数は限られてるから、
いい練習になるだろ。
それに比較的、アミよりお前の方がおとなしい部分があるから、攻撃役より向いてそうだ」

「わかったよ、お頭さん!」

ここまでを言い終えたところで、ファリスは一呼吸おいて決意を固める。

「最後、ユキホ」

「は、はい!」

雪歩も、自分が最後に回されたことと、ファリスの表情から感じ取ったのか、
緊張した返事を返す。

「モンク」

「えぇ!?ウソぉ!?」

「ゆきぴょんが!?モンク!?」

「そんな、ちょっと待って下さい!雪歩がモンクなんて…!」

その言葉を聞いて、驚く亜美真美をよそに、真が意見する。

「マコト。お前さっき『全面的にオレを支持する』って言ってたよな」

それに対し、真本人が放った言葉を利用して、ファリスが真を制する。

こうなっては真は何も言えない。

「そんな、私が前列!しかもモンクなんて。ムリ、ムリムリ!無理ですよぉ!!」

雪歩が首を振って否定する。

「それだ!やる前から何でもいきなり『ムリだ』と言って自分から何もしようとしない!」

「その根性、叩き直させてもらうぞ」

ファリスが真剣な目で、キッと雪歩を見る。

「ひっ」

その目に、もう逃げられないと思ったのか、雪歩が小さな声で鳴いた。

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