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2010-08-25

IM@S FANT@SY Ⅴ 第五話 Party in the trouble!?-3

本質的なものはどうあれ、形は雪歩が口にした動物と変わらない。

―――犬、怖い、逃げたい、でもダメ。ファリスさんは許してくれない。
今、ファリスさんは私たちと仲が悪い。そんなこと言えない。
でも、イヌ、コワイ、ニゲタイ、デモダメ……ナラ、ドウシタライイノ?―――

最悪の状況と目の前の敵に、思考と焦点が定まらず、息遣いと体が震え始める。

雪歩は、完全にパニックを起こしていた。

―――セメテ……ダレカタスケテ!!―――

「雪歩!!」

雪歩がそう思った瞬間、まるでその心の叫びが聞こえたかのように、
彼女の名前を呼び一喝する声が聞こえた。

その声にハッとして、彼女は現実に引き戻された。

「真ちゃん」

「大丈夫。雪歩はボクが守る」

―――ソウダ、マコトチャンガイル。マコトチャンガイレバダイジョウブ。
マコトチャン…マコトチャン…。―――

だが、思考が完全に戻ってくることはなかった。

「せめて今だけは…言うことを聞いてくれよ!」

ファリスはそうつぶやくと、戦闘開始を指示した。

「コイツらは群れで襲ってくることがほとんどだ!1体1体は弱い!一気に片付けるぞ!」

「マコト!」

「はい!…やぁぁぁぁあああ!!」

ファリスの指示を受けて、真が群れの真っただ中へ『けり』を入れる。

「バウ!ァウ!ウウゥ…!ガァァ!!」

当然敵もただやられるのを待つばかりではない。
真の打ちもらしたワイルドナックたちが、後方のパーティへ襲いかかる!

「ガァ!」

「う、ぁ!うぅ…!えい!」

首筋を引きちぎらんとするばかりの勢いで襲いかかるモンスターを、真美がロッドで受け、押し返す。

「えい!…ふっ!…やぁ!、この!」

亜美も、数体に追われながらも、それらから放たれる攻撃を巧みにかわし応戦する。

「ガゥア!」

「えっ!?うぁぁ…!!」

が、ついにかわしきれず、死角から迫られた1体に、腕を食い付かれた!

「ぅう…この!えい!えい!!」

それでも怯むことなく、その1体への攻撃を繰り返した。

「ウゥ…!ハァ、ハァ!」

どうにかその1体を仕留めることはできたが、
その1体に気を取られたあまり体をかわすことを忘れ、
亜美が気付いたときには、周りを5、6体のワイルドナックに囲まれていた。

真もまた、似たような状態になりつつあった。

「ひっ…!」

モンスターは、少しずつ後列の二人にも迫りつつあったが、
雪歩は特に後ずさっているため、まだまだ安全圏である。

「マミ!ヤツらは火が弱点だ!焼き払っちまえ!」

ファリスの指示を受け、真美がロッドに魔力を集中させる。

『ファイア!!』

真美の唱えたファイアが、真が攻撃し弱らせた者をはじめ、数体を葬った。

「なっ…!?マミ!どうしてだ!?」

―――なぜファイラを撃たない!?―――

ファリスはそこに疑問を持った。いくら連携が未だに甘いとはいえ、
それでも戦闘による経験値は得ており、実際すでに真美のファイラは数度目撃しているのだ。
ここで手加減をする道理はないハズである。

「ファリス姉ちゃん。真美にももうファイラを撃てるほどの魔力は残ってないよ」

思いのほか真美が消耗していたのだ。ファリスが思っていたよりもずっと。

「なんてこった…!」

―――なら、次の手はどうする!…マコトか?―――

「ハァ!ハァ…!くっ!ハッ!えい!…ぐぁ!!」

―――タダでさえオーバーワークなんだぞ!ここでさらに使うのか!?―――

「うぁ!うぅ…。!!ぇぇええーーーい!!」

ファリスがひとりごち、思考を逡巡させる間にも、戦況は刻一刻と悪化する。
敵のただ中からなんとか戻ろうとする亜美の表情が、ついに苦痛に歪み始めてきた。

―――ワタシ、ナンノヤクニモタテテナイ。アミチャン、イタソウ。
マコトチャン。タオレソウ…。!私が今、助けてあげるからね!―――

雪歩が杖を構える。

「やめろ!ユキホ!」

その機微をファリスは見逃さずストップをかけた。
杖は明らかに個人ではなく、全体を回復させようと構えられていたからだ。

その声にドキリとした雪歩は発動をためらった。

―――今撃たれたら、せっかくまとまった作戦がパァになっちまう!―――

しかし次の瞬間、このパーティにとって最悪の結果をもたらす
雪歩への後押しの声が放たれる…!

「かまうな!雪歩!」

戦闘をしながらもどうにか雪歩の行動を確認し、回復のほしい真が言ったのだ。

パーティの内部分裂、犬型のモンスターとの遭遇という状況で
混乱の極みにありながらも、どうにか自分を繋ぎとめてくれていた人の言葉に、
雪歩は再び引き戻された。

―――アァ…。マコトチャン。アリガトウ。―――

そして。

『ケアル!!』

最悪の一手は放たれた。

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