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2010-06-26

IM@S FANT@SY Ⅴ 第四話 始動!!-5

2日目の昼。

「ねぇ春香」

準備中の店の中で、美希が唐突に話しかける。

「何?美希」

「ミキたちのステージって、曲はどうするの?」

「えっ、曲?う~ん」

春香が頭に指をやって考える。

「一度レナさんに相談してみようか」

「私がどうかした?」

キッチンでの仕込みの手伝いをある程度終えたレナが、
カウンターへ来て二人に話しかける。

「わひゃあ!!」

突然の本人の声に、春香が跳ね上がって驚く。

「ねぇねぇ、レナ!」

美希が事情を説明する。

「そうねぇ。どんな曲かわかれば、私が伴奏するわよ?」

「えっ、レナ、ピアノ弾けるの?」

「えぇ。数学、音楽、天文学は一通りわかるから」

「へぇ~。スゴいね!ね、ミキが一曲歌うから、レナがピアノ弾いてみて♪」

「まずはマスターに許可を取りましょう」とレナが言うので、
マスターに許可を取り、練習をさせてもらえることとなった。

「あのう~みあ~のま~ち~かど~は~」

「え~っと。じゃあ、こんなラインね」

「レナ!イントロはそうじゃないの!」

「『じゃあねなんてい~わない~で~』は、こうね」

「こわ~れる~く~ら~いに~…」

そうして数時間が経過した。

「「できた!!」」

レナと美希はRelationsを何とかモノにしたのである!

「ほぇ~」

その様子に春香が呆ける。

「レナ、すっごいの!ミキ、ビックリしちゃった!」

「そう?」

さも当たり前のようにレナが聞き返す。

「そうなの!だって、ほとんど一度で全部合わせちゃったんだもん!」

「じゃあ、後は夜を待つばかりですね」

春香のその言葉とともに、彼女らは再び開店の準備へと戻り、夜を待つこととなった。

   ◇   ◇   ◇

そして夜。

客たちが酒を酌み交わし、店がにわかに活気づく。

その中、店の右手奥にあるステージの中央に付けられた口から、
淡いピンクのレースのドレスに身を包んだレナが、一つお辞儀をしてステージへと現れ、
ステージ上のピアノの席へと着いた。

―――♪♪♪

レナのピアノによる前奏が始まる。

その音に合せて春香と美希が順に、ステージへと身を躍らせてゆく。

―――♪♪!!

♪夜の駐車場で♪

前奏の終わりから、完璧なタイミングで美希が歌い始める。

♪私は今日を 振り返るの♪

春香と美希がフレーズを交互に代えながら歌いあげてゆく。

♪聞くだけならば 簡単じゃない♪

―――♪♪!!

レナが即興で、サビへと入る音を当ててきっかけを作る。

♪じゃあねなんて言わないで♪

♪壊れるくらいに♪

―――♪

曲が終わるとともに、店中に一瞬の静寂が訪れ…

―――ワッ!!

一気に歓声となって沸いた!!

「ん?」

そんな中、春香は飛び交う何かに気がついた。

春香がそれを拾い上げる。

―――お金だ!!―――

春香たちのショーに、客たちがおひねりを飛ばしてくれたのである。

そしてレナたちは一つお辞儀をし、ステージを後にした。

   ◇   ◇   ◇

「はー!ステージって、やっぱり気分最高なの!!」

楽屋の椅子に座り、大きく伸びをしながら美希が言った。

「それに、ずいぶんとおひねりももらえたしね。
やっぱり、私たちはステージでお金をもらう方が向いてるのかも」

自分たちの現実面も加味した感想を春香が言った。

「ねぇ」

美希が、そばのレナを見上げて問いかける。

「何?」

その視線にレナが応える。

「レナは歌わないの?」

「えっ?」

「じーっ」

春香も同じことを訴えようと、レナを凝視する。

「ええっ?」

「ホラホラ!もっとカワイイ衣装に着替えて、もう一回舞台に出るの♪」

そう言うと美希は唐突に立ち上がり、衣装部屋へとレナの背を押し始めた。

「え、え、え!?ちょっとミキ…!」

「衣装、ミキが選んであげるね♪」

「え、え、えぇぇぇーーー!?」

そうしてレナと美希は、衣装部屋へと消えていった。

「あ、出てきた」

しばらくしてレナと美希が部屋から出てきた。

「おおぉ……」

春香がレナの衣装姿に見惚れる。だが、

「え、ええ…!?」

レナのある場所に目が行ったところで、春香は目を丸くしたままその動きを止めた。

それは今まさに、その細腕で防いではいるが、
隠しきれないのではないかと思えるほど大きな、胸であった。

衣装は4分の3カップであると思われるが、
その実、レナの胸では半分くらいまでしか隠されていないように見えた。

「こ、この衣装は、ちょっと…。」

肩と背中の無いドレスのため、レナの上半身は、そのほとんどが露となっていた。
スカートも、ロングスカートではあるものの、
左足の太腿の中ほどまで大きくスリットが開いている、かなり大胆な衣装であった。

「レナさん。一体、何カップなんですか?」

春香が恐る恐る尋ねる。

「…Gカップ」

「Gっ!?」

その答えに、春香の声がひっくり返る。

「ミキや、あずさよりもおっきいの!」

「そんな話はどうでもいいから、衣装を変えさせてよ~!」

レナは顔を真っ赤にして、半泣きで訴えた。

すると突然、美希が「なんで!?その衣装、カワイイのに!」と騒ぎ出し、
レナはおろか、春香が説得しようとしても一切聞かず、
結局レナはその衣装で舞台に出るハラを決めることとなった。

レナが舞台に出て一つお辞儀をすると、その衣装の大胆さとレナの美貌に、
ステージを注視する者たちがにわかにどよめいた。

そしてその波が静まったころを見計らって、

♪白い月を抱きしめて 夜は青い水鏡♪

レナは歌いだす。

♪心にはいつのまにか こんなにあなたが満ちている♪

届かせたい。でも届かない。
そんな切ない想いのこもった歌が、レナの澄んだ声によって、美しく紡ぎ出されてゆく。

♪風のない夜の湖 そっと 一度でいいからあなたを 映し出して♪

レナはまるで、自分にそんな人がいるかのように感情を込めて歌った。

曲が終わり、レナが一礼を終えても、その女性と、そこから出された歌の美しさに、
客たちはただただ呆然、というよりは恍惚に近い表情のまま、
未だに女性が作りだした世界の中にいた。

レナの鮮やかなピンクの髪が見えた時、ようやく客たちはハッとし、
ステージの奥へと歩いてゆくレナに、声援や拍手を送った。

   ◇   ◇   ◇

以後彼女らは、春香と美希はステージで歌やダンス、ショーを行い、
あずさとレナは専ら接客担当となった。

小鳥は、接客の交代要員として、キッチンスタッフとして働くこととなった。

そうして、『店のスタッフが客と酒を飲む』という
新たなスタンスを作り上げたこの店は、あっという間に繁盛し、
レナたちが来て3日目、つまり、レナたちが働きだしてからは2日半で、
40万ギルという売り上げを上げてしまったのである。

   ◇   ◇   ◇

4日目の朝。

「お疲れさん」

全員が店先に並び、マスターに見送られる。

「ありがとうございました」

代表してレナが挨拶し、マスターと握手を交わす。

「これ、持ってきな」

そう言うと、マスターは一つの封筒を手渡した。

レナが中をあらためると、そこには10万ギルの札束が入っていた。

「これは、いただけません!」

当然レナは断った。だがマスターは「餞別だ」と言って譲らず、
また、今回わざわざ売り上げを40万ギルで交渉した真相を語った。

たしかにこの店は危機的状況にあったが、
30万ギルもあれば十分に建て直しは効く状況で、
元から10万ギルは渡すつもりで稼がせており、
値切りも織り込み済みでの60万ギルの提示だったのだ。

「……ありがとうございます」

その事情を聞き、レナは素直に受け取ることにした。

全員で深々と礼をし、酒場をあとにする彼女らに、
マスターは「がんばれよ」と声をかけた。

「えらい時間のロスだわ!このままイストリーまでぶっ飛ばすわよ!!」



それぞれのクリスタルが力を失う前に、
ジョブとして力を留めるべく旅立ったファリスとクルル。
一方残りのメンバー捜索に向けてルゴルに向かったレナたち一行は、
その街の酒場でメンバーと再会することになる。
しかし!メンバーを迎え入れるため、莫大な売り上げを作りだすために、
店で働かなくてはいけなくなった!
どうなる次回!?


続く

ウォルス南方の半島に到着したファリス一行。
しかし、難航する特訓についにパーティが瓦解する!?
次回、『Party in the trouble!?』
お楽しみに!!

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